「患者様を立体的にとらえよう」 ~SDHの視点を取り入れた事例から学ぶ~

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11月12日(土)の午後、神戸医療生協の師長・所長研修会を開催しました。
参加者が3つのグループに分かれて事例検討を行いました。

その時の様子を紹介します。


コロナ禍での事例

今回の事例は、当院コロナ病棟に入院された40代の糖尿病の患者さん。
高熱で救急搬送された時、コロナ陽性と判明し、肺炎で呼吸状態も不良、高血糖もあり病状は深刻な状況でした。


急性期を脱した後も、治療が必要にも関わらず「工場での派遣の仕事を辞めさせられると生活ができない」との経済的な不安から退院を希望されました。


スタッフ間で精神的なフォローも行いながら、医療費の面で支援できるような手立てはないか医療ソーシャルワーカーに介入を依頼しました。


その患者さんは「国民保健の限度額適応認定証発行」や「コロナ傷病手当金」の申請ができることがわかり、手続をして安心され、その後継続して治療を受けられました。


民医連のめざす看護とは

「民医連のめざす看護とその基本となるもの」(*)を用いて、ステップ2~5までの過程をグループワークで論議しながら進めていきました。



2時間足らずの時間で最後のステップ5まで進めることは難しいのですが、さすが師長集団!


最終ステップの患者や医療などを取り巻く社会、その時代や情勢をどう見るのかという視点、人間の「いのち」「日本国憲法」「民医連綱領」に照らしてどうなのかという視点で検討していきました。


自分にない視点での意見も聞くことができ、大変よい学びとなりました。



現場を回すことで大変な日々ですが、事例を通して自らが民医連看護を実践していくこと、伝えていくことの大切さを学びました。


(総看護師長 中西 宏美)

民医連のめざす看護とは

*2017年発行のブックレット「民医連のめざす看護とその基本となるもの」は、民医連の看護の歴史、民医連のめざす看護とその基本となるものを示し、日々の看護実践やカンファレンス、事例検討会などに活かせる評価・検討シートが掲載されています。事例検討の際に「5つのステップ」を活用してまとめていき、最終は自分たちの看護を継承・発展させていく事柄を導き出す、民医連の研修会で活用しているものです。

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