言葉の背景にある本当の思いは

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am 医系学生と年末炊き出しボランティアへ

2017年12月28日(木)、兵庫民医連で毎年参加している「ホームレス支援炊き出しボランティア」に、51名の医系学生(医学生16、看護学生18、薬学生5、高校生12)と17名の職員が参加しました。



病院から参加の医師6名、看護師5名、医療ソーシャルワーカー2名は、医療テントで医療相談活動を行い、10名の方から病気や生活の相談を受けました。



そして、医系学生と事務職員で健康調査アンケート活動を担当し、全体で33名の方からお話を聞くことができました。



学生の感想を中心に紹介します☆

医療相談コーナー

「主に医療相談の見学をさせていただきました。症状から胃癌の可能性が否定できないが病院に行きたがらない方、幻覚や幻聴、不眠に悩まされている20代の方など、大学病院では決して出会うことのないだろうと思われる方がいらっしゃいました。

診療科ごとに紹介されてきた患者さんを診るのではなく、その人の育ってきた環境、生活背景を含めた人間全体を診ることの大切さを感じました」(医学部5年)

医療相談コーナー

聞きとり調査アンケート

「その方だけの問題でなく社会全体で考えていかないといけない事なんだと考え方が変わりました。社会の偏見、一方的な価値観もその人のことを苦しめているのかもしれないと思いました」(看護専門学校3年)

聞きとり調査アンケート

「相談できる場所があっても、「血圧が高いのはわかっているからもう測りたくない」などと、病気であるかもしれないと自覚はあっても病院へは行かない、行きたくないという意見が多く、なぜそこまで拒絶するのかという疑問がわきました。人と関わる機会の少ない方が多かったので、話しやすい環境や関係が必要で、医療者側もコミュニケーション能力が必要だと感じました」(看護専門学校2年)

炊き出しお手伝い

「食事をお配りさせていただく中で、一人ひとり反応が違うことに気づくことができました。一人ひとりの心身の状態が違うと思いました」(高校1年生)


「自分一人では何もできないが、誰かと一緒になって参加することによって一つの多くのことができることを知りました。私は、ボランティアに参加することによって自分の知らなかったことをたくさん学ぶことができ、とてもよかったと思いました」(高校3年生)

炊き出しお手伝い

pm 医系学生交流会

午後の医系学生交流会では、神戸女子大学講師の阿江善春氏を講師に、「行き詰まり棄てられる人々 ~人はどうやって追いつめられるのか~」のテーマで学びました。

pm 医系学生交流会

表面的な言葉だけでは見えにくい心のありようと、心が追い詰められているプロセスなどの紹介があり、「何があったんですか」とまず聴くことが大事で、それはテクニックではなく、誠実にていねいに相手の本当の気持ちを知ろうとすることが大切だというお話が印象的でした。

「貧困って見えにくいものだと思いました。また、印象的だったのは、「生活保護を受けたくない」「病院に行きたくない」という方が想像以上に多く、この方たちをどうやって生活保護や医療につなげたらよいのだろう…という話が交流会で出ました。阿江先生のお話に出てきた5段階の中で、“相談できる人と場所”がなく、否定的な言葉をかけられてしまったのではないかという意見にとても納得しました」(医学部5年)


「医学生、看護学生、薬学生、実際に働いている方も含めて話を共有し、その人に何が一番大切なのかということを考え、身体的なサポートだけでなく、心理的なサポートを行う重要さと、そのためにはどのようなアプローチを行うのがよいかを考えることができました」(看護大学3年)


「特に、生活保護に関することで知らなかったことが多くありました。本当に必要な人が生活保護を受けられるようにすることが求められると思います」(高校2年生)

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