12/28(水)三ノ宮東遊園地にて、NPO法人「神戸の冬を支える会」が中心になって行われるホームレスや生活困窮者への炊き出しボランティアに参加してきました。
初めはテント設営から。
指示に従いながら、慣れない設営もみんなで協力していくつものテントができあがり、炊き出しをする厨房まで完成。
生活相談、医療相談、法律相談など様々な専門家の方がボランティアに来られていましたが、私たちは兵庫民医連として参加し、医師・看護師による医療相談と、医系学生と民医連職員による健康調査アンケート活動のところを担当しました。
このように、炊き出しを待っておられる方にお話を聞く活動でした。
その方がどのような経過でここにおられるのか、健康状態はどうなのか、ご家族はいるのか…
アンケート対話を通じて、困っていることがあればそれぞれの相談テントを案内していくという目的もありましたが、
それ以上に、その方の人生という物語を聞く作業の難しさと、たくさんお話を聞くことはできた方もいたけれど、本人の本当の思いや悩みを傾聴していくことの難しさを感じました。
いろいろ感じたアンケート対話でしたが、同じグループの看護学生さんは、積極的に対話していろんな話の中から生活のことをさりげなく聞き出していてとても感心しました。
午後からは、場所を移動して「あなたの卒後と日本社会~「貧困」を手がかりに~」というテーマで、大学講師を招いての学習会がありました。
いまの日本の社会保障や福祉制度を、私たちの生活と結びつけて考えるユニークな内容で「給与明細から見えてくるもの」からは、「“貧困”は人ごとではない」と感じさせるものでした。
また、講師の先生は大学講師になる以前は、医療ソーシャルワーカーとしてたくさんの方の相談活動経験があり、事例の紹介から生活苦や貧困、障害についても考えさせられました。
今回、医学生8名、看護学生6名、薬学生7名、福祉系大学や高校生が5名の参加でした。
これから医療現場で一緒に働くことになる学生さんたちと職員も一緒に学習し、ディスカッションができたことは貴重でした。
最後に、学生さんの感想を一部紹介します。
【炊き出しボランティアの感想】
・今まで考えてきたこと、思っていたこと、決めつけていた偏見が大きく変わりました。
・最初はホームレスの人と話すことに不安がありましたが、目の前の方の話を熱心に聞くことの大切さを実感しました。
・人それぞれ人生が違って、思いが違うと感じました。
・経済的な問題が心に直結し、うつ病等を発症しやすいことがわかった。世間の偏見から、生活保護の受給に抵抗のある方が多かった。
【学習交流会の感想】
・医療系の色々な方と交流できたので、自分の視野がぱっと広がったと思います。
・社会保障についてもっと自分で知る必要があると思いました。
・医師は、病気を治すことだけでなく、心のケアも必要だということがわかった。
・「患者の数は減っているが、病人の数は減っていない」という話が印象的でした。
神戸協同病院 看護部
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